日本三大魚醤を徹底解剖!愛すべき日本のうま味調味料に迫る!

日本の魚醬

あなたは日本三大魚醤をご存じですか?
魚醤というと東南アジアの魚醤をイメージする方も多いかもしれませんね。
世界にもたくさんありますが、海に囲まれ、海産物が豊富に獲れる日本ならではなたくさんの種類の魚醤があるんです。
中でも、石川県のいしる、秋田県のしょっつる、香川県のいかなご醤油の3つを日本三大魚醤といいます。
アジアの魚醤とは違い、風味が豊かで優しい味わいなので、クセを主張する使い方ではなく、うまみを引き出す裏方的存在な調味料として、是非スタメン入りさせていただきたい!!と思っています。

今回は数ある魚醤の中で日本の3大魚醤の魅力に迫ってみようと思います。

日本三大魚醤とは?

日本三大魚醤とは石川県のいしる、秋田県のしょっつる、香川県のいかなご醤油のことを指します。
三大!なんていうと、一番使われているやつなのかなと思いきや、一番歴史が長い3つということだそうです。(いや、まぁ言うても魚醤の中では使われてもいる方だと思いますけどね!)

動物の肉や魚を塩漬けにして発酵させる技法は古く紀元前からそのルーツがあり、穀物で作る醤油よりも実は歴史は古いようですが、今の調味料の状態になったのは江戸時代の後半、1700年ごろからと言われています。当時は、漁師たちが魚の内臓を塩漬けにして保存していたことから、自然発酵によって出来上がったとか。

いずれにしても、醤油の普及とともに少しずつ生産量が減り、「三大」なんて言っても知らん人の方が多いんちゃうかな?と思うくらいの絶滅危惧調味料っぽい位置づけになっている魚醤なので、こうやって知ってもらって、何とか挽回したいな~と思ったりしています。

では、一つ一つももう少し詳しくご紹介していきます!

石川県のいしる

いしり、よしる、いしる、魚汁、といろいろな呼ばれ方をしますが、サバやアジやイワシ、またはイカの内臓を塩漬けにして数年発酵させることで作られます。


ここで、「え、さばやアジで作ったやつと、いかでつくったやつ、絶対味ちゃうやん!」って思った人!はーい!(笑)

そうなんです。一緒のように言われてるんですが、実は

いしる・・・アジ、サバ、イワシなどで作られているもの
いしり・・・イカのワタで作られているもの

と区別しているんです。

これ、結構知られていなくって、こんがらがってしまうので是非覚えといてください!
テストに出ます(笑)

秋田県のしょっつる

塩魚汁、塩汁と書くしょっつるは秋田県の県魚でもあるハタハタを原料にした魚醤です。

ハタハタの産卵時期である11~12月に大量に獲れるハタハタを塩漬けにして、液体になるまで約1年かけて発酵熟成させたものを濾して作られます。

アジやイワシといった青魚で作るいしると比べて、白身魚のハタハタで作る魚醤であることもあって香りもやさしく、マイルドでだし醤油的な使い方がしやすいと思っています!

ハタハタをたっぷり入れて作るお鍋「しょっつる鍋」はハタハタをハタハタで味付けして食べる!というまさに共食い(?!)郷土料理です(笑)

香川県のいかなご醤油

いかなご醤油は、香川県沿岸部で大量に漁獲されるいかなごと塩を半年から一年かけて発酵させた魚醤で、他の魚醤に比べて塩分濃度が非常に高いのが特徴です。

ちなみに、
一般的な醤油の塩分が13~16%、一般的な魚醤の塩分が20~25%なのに対して、いかなご醤油は28~30%もあります。

めちゃくちゃ酸っぱいしょっぱい昔ながらの梅干しがだいたい20%くらいの目安になるので、その塩辛さも想像できますね。

塩分の高さから、魚醤の中では魚臭さが少ないのがうれしいポイントなんですが、いかんせん塩分が高いのでごくごく少量をエッセンス的に加えるような使い方がよさそうです。

まとめ

今回は日本三大魚醤についてお届けいたしました。

魚臭さ いしる・いしり>しょっつる>いかなご醤油

塩辛さ いかなご醤油>>いしる・いしり>しょっつる

手に入りやすさ いしる・いしり・しょっつる>いかなご醤油

と、私が使ったイメージでまとめてみました。

昔は新鮮な魚が手に入りにくかった内陸部で魚のうま味を楽しむために重宝されていた魚醤。
手間がかかる割にあまり売れないということで、年々生産量が減っているそうですが、
魚の天然のうま味がギュッと詰まっていて、余計なものを一切使っていないのに「これ一本で味が決まる」が実現する愛すべき調味料だと思っています。

これを読んでくださったあなたも是非、日本三大魚醤を使って応援してくださいね!

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